働き方改革が推進され、通勤に縛られない働き方が増えています。
通勤という条件がなければ、都心を離れて、地方へ移住をしたいと考えている人は少なくありません。
ふるさと回帰支援センターの調査では、1都3県の移住希望者は推計で309万人にのぼり、中でも鳥取県琴浦市は「子育て世代が住みたい田舎部門」の2位にランキングするほどの人気があります。
そこでこの記事では、鳥取県の結婚や子育て、暮らしに関する耳寄りな情報をくわしくご紹介します。
鳥取県への移住・現状をご紹介
自然が豊かで、気候条件にも恵まれている鳥取県。
鳥取砂丘・大山・倉吉白壁土蔵群など、観光地も多いのが特徴です。
現在、鳥取県への移住者はどのような状況になっているのでしょうか。
移住者数の推移
鳥取県が令和2年に調査した、移住者の推移をご紹介します。
年度 | 年間移住者数 | 移住者の累計 |
平成29年度 | 2,127人 | 6,101人 |
平成30年度 | 2,157人 | 8,258人 |
令和元年度 | 2,169人 | 10,427人 |
令和2年度 | 2,136人 | 12,563人 |
参考:令和2年度鳥取県への移住者数について|鳥取県公式ホームページ
鳥取県は平成27年~令和1年までの移住者目標は8,000人、令和2年から令和6年までの移住者目標は12,500人を設定しています。
令和2年の移住者数を市町村別にみると
- 米子市:463人
- 鳥取市:395人
- 倉吉市:284人
- 境港市:203人
- 琴浦町:114人
となっており、地方での暮らしや新たなライフスタイルに関心が高まっていることがわかります。
移住の理由
鳥取県へ移住をした人の理由は、大きく分けて4つあります。
- 就職・転職
- 結婚・子育て
- 田舎暮らし
- 帰郷
参考:令和2年度鳥取県への移住者数について|鳥取県公式ホームページ
40代以下では就職・転職がもっとも多く、50代以上では帰郷が大きな理由となっています。
UIターン別にみると、ほぼ均衡しており、近畿地方、中国地方、関東地方からの移住者が目立つ傾向があるそうです。
鳥取県での転職・結婚・子育てのメリットとは?
移住先として人気のある鳥取県ですが、転職・結婚・子育てにおいて、どんなメリットがあるのでしょうか?
鳥取県の人気の秘密に迫ります。
自然保育に取り組む鳥取市
鳥取県では、豊かな自然を活用して自然体験活動を行う保育所・幼稚園等の施設を認証する
「保育所、幼稚園等とっとり自然保育認証制度」を平成29年3月31日に創設しています。
自然体験活動とは、森の中の散策や生き物観察、農業体験、川・雪遊び等が含まれ、3歳以上の子どもは、自然体験活動の時間が平均して週6時間以上とすることとされています。
自然豊かな環境で、子どもをのびのびと遊ばせることができるのは、子育て世代には魅力的な条件の1つです。
子育ての環境を理由に、移住者が多くなるのも納得がいきますね。
3歳児以上の保育園待機児童数がゼロ
鳥取県が令和3年に行った待機児童の調査では、3歳児以上の待機児童数はゼロとなっています。
- 0歳児:25人
- 1歳児:2人
- 2歳児:1人
- 3歳児:0人
- 4歳児以上:0人
参考:令和3年10月1日時点における保育所等の待機児童数|鳥取県公式ホームページ
共働きの家庭にとって、保育園の確保は死活問題です。
保育園に入園できないために仕事復帰が遅れたり、認可外保育園で高額な保育料を払ったりする都心の状況とは、かなり異なっていることがわかります。
物価が安い食の都
移住に関する情報を掲載するポータルサイト『移住マップ』には、移住者の生の声が掲載されています。
鳥取(鳥取市)へ移住したメリットとして、多くの方が挙げているのが、物価の安さと食材の豊富さです。
- スーパーマーケットには、地元の魚、鶏、豚、牛、野菜が並んでおり、新鮮です。食の都と呼ばれています。
- 物価(特に野菜や魚など)が安い。また野菜や魚は新鮮で、市場や漁業市場へ出かけると見たこともない大きさのものや格安なものを手に入れることが出来るようです。
引用:鳥取県鳥取市への移住【メリットやデメリット】|移住マップ
日本海に面している・自然が豊かという鳥取のメリットは、食の分野でも感じている方が多いといえます。
共働きを前提とした支援策が多い
鳥取県では、子どもを安心して産み育てることができる「子育て王国鳥取県」を目指して、さまざまな支援策を行っています。
- 地域型保育事業所の設置
- 病児・病後児保育施設の充実
- 一時預かり実施施設の拡充
参考:とっとり子育て応援ガイドブック(令和3年改訂版)の発行|鳥取県公式サイト
また鳥取県の保育園は、生後6週から保育可能な園が多く、産休明けのワーキングママも安心して仕事復帰ができるサポートが充実しています。
鳥取県の充実した支援策
鳥取県は、移住先としての希望が多い県ですが、それには理由があります。
子育て・結婚・就職(転職)において、活用できる支援策をご紹介しましょう。
子育て王国とっとり
鳥取県では、平成22年より『子育て王国とっとり』に取り組み、平成26年には『子育て王国とっとり条例』が制定されました。
これは県として積極的に子育て支援をしていこうという姿勢の表れでもあります。
- 保育料の多子軽減
- 医療費助成
- 子育て応援パスポート
などが主な支援で、市役所には『子育て王国課』という部署まで存在します。
TwitterやInstagramなどでも積極的な情報発信を行っていて、公式ホームページではさまざまなお役立ち情報が掲載されています。
地域少子化対策重点推進(強化)事業
鳥取県では、少子化対策の一環として、結婚する世帯に対し、住宅の取得や引越しへ補助金を交付する事業を行っています。
各自治体によって条件が異なりますので、事前に確認が必要ですが、ぜひ利用したい支援策の一つといえるでしょう。
ふるさと鳥取県定住機構
ふるさと鳥取県定住機構とは、公益財団法人ふるさと鳥取定住機構が運営するサイトで、鳥取での就職や定住のサポートを行っています。
移住のための情報や、UIターンの求人情報・職業紹介などを無料で提供。
就職・移住の専門コーディネーターが在籍し、充実したサポートを受けることができます。
鳥取県で転職・結婚・子育てをするときの注意点
鳥取県内への転職を伴う移住には、さまざまなメリットがあります。
その反面、都会とは異なるデメリットが存在することも事実です。
実際に移住をした人たちの声を『移住マップ』からピックアップしてご紹介しましょう。
車の移動が中心
- 汽車の本数が少ない。車がないと移動するのが厳しい。
- バスや汽車の本数が少なく、1、2時間に1本しか通っていなかったりするので、公共交通機関が不便です。
引用:鳥取県鳥取市への移住【メリットやデメリット】|移住マップ
地方の移住生活で、都心の生活と大きく異なるのは交通網です。
特に鳥取県では、車の移動が中心となるため、車の維持費やガソリン代、車を持っていない人は車両を準備する資金も必要になります。
施設が少ない
- 東京などの都会のように週末にショッピングへ出かける時の選択肢が極端に少ない。
- 医療教育等の分野においても、その道の専門家が少ないため、大きな病気や高いレベルの学校に進学する等、高度な技術を要するものに乏しい。
引用:鳥取県鳥取市への移住【メリットやデメリット】|移住マップ
自然を満喫できるという点は都会にはない最大のメリットの一つですが、都会と比べると大きな病院や娯楽施設が少なく、選択肢が限られているということがあるようです。
まとめ
鳥取県は、UIターンの転職・結婚・子育てなどに対する支援策が非常に充実しています。
その反面、デメリットがあることも事実なので、事前にしっかりと情報収集を行い、ギャップをできるだけ少なくする準備が必要です。
移住を伴う転職には、時間がかかります。
マルチタスクでの準備が必要になることもありますが、焦らずにじっくりと取り組みましょう。
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