鳥取県の取り組む『イクボス・ファミボス宣言』をご存知でしょうか?
『イクボス・ファミボス』とは、部下の仕事と家庭の両立を応援する上司のこと。
出産・育児・介護などによる離職を防ぎ、従業員の就業継続を支援するために作られた制度です。
鳥取県が積極的に支援する『イクボス・ファミボス宣言』とはどのようなものなのか、実際に取り組んでいる企業の事例はあるのかなど、くわしくご紹介します。
イクボス・ファミボスとは?
そもそも『イクボス』『ファミボス』とはどのような定義があるのか、基本的な部分から見ていきましょう。
イクボスの内容
イクボスとは、育児の『イク』と上司の『ボス』を組み合わせて作られた造語で、育児を支援する上司のことを指します。
従業員や部下のワークライフバランスを重視し、育児・産休などを含む個人のキャリアを尊重する上司に対して使われる言葉です。
イクボス宣言は厚生労働省が働きかけ、育児と仕事を両立できる環境づくりを推進しています。
ファミボスの内容
ファミボスとは、育児だけではなく介護にも理解を示そうという鳥取県独自の取り組みです。
イクボスは育児と仕事を両立させようという取り組みですが、育児だけではなく介護も離職の原因となります。
ファミリー=家族に焦点を当て、家族のために変則的な労働が求められるという点では、育児と介護は同じという考えで進められているものです。
鳥取県によるイニシアチブ
鳥取県がイクボスだけではなく、ファミボスに積極的に取り組む背景には、介護離職の割合が全国平均よりも上回っていることが背景となっています。
鳥取県は『育児も介護も家族のことである』という大前提を掲げ、ファミボスという言葉をいち早く作りました。
企業での育成に加え、教育面の支援や奨励金制度などを充実させるようにイニシアチブをとっています。
イクボス・ファミボスの取り組み事例
イクボス・ファミボス宣言に積極的な取り組みを行っている鳥取県ですが、実際の企業ではどのような取り組みが行われているのでしょうか。
鳥取県の公式HP内で公表されている地域企業の事例についてご紹介しましょう。
鳥取県の企業の取り組み事例
【株式会社さくら建設(鳥取市)】
育児短時間勤務の利用期間の拡充や柔軟な時間外労働・深夜業の免除、4週8休の導入等により家庭との両立を促進するほか、社内報を活用した情報提供による休職者との繋がり維持や充実した資格取得経費の助成により、従業員の能力開発を促進している。
- 育児短時間勤務は子が小学校就学始期に達するまで利用可能(法定:3歳まで)
- 時間外労働と深夜業の免除を従業員の要望に応じて柔軟に対応(法定:小学校就学始期まで)
- 休業者への社内報による情報提供や復帰前の職場復帰プログラムの実施
- 4週8休の導入、資格取得経費の助成(宿泊費、交通費、教材費) 等
【社会福祉法人日南福祉会(日南町)】
ワークライフバランスの実践に向けた各種休暇導入、事業所内保育所の利用無償化、全従業員の健康意識の向上や職場復帰プラン作成による円滑な職場復帰支援のほか、従業員ごとのキャリアプラン作成に取り組んでいる。
- 配偶者出産休暇、リフレッシュ休暇
- 事業所内保育所の従業員利用の無償化
- 所定外労働免除は子が小学校就学始期に達するまで利用可能(法定:3歳まで)
- 休業者への社内報による情報提供や上司・人事労務担当者との職場復帰支援プラン作成による円滑な職場復帰支援
- 全従業員が健康意識向上のため「健康宣言」を行うほか、相互(従業員間)の健康や生活に関して理解を深める
- 人事評価制度を活用した従業員ごとのキャリアプラン作成
- 子育て世代等の従業員の意向を踏まえた部署異動 等
【鳥取部品株式会社(琴浦町)】
有給休暇の積立制度等の導入によるワークライフバランスの推進や相談窓口・相談箱設置による家庭との両立サポート支援のほか、こども参観日の実施による家庭内のコミュニケーション促進や従業員ごとの教育計画策定に取り組んでいる。
- 配偶者出産休暇、積立保存休暇(※)失効する有給休暇を積み立てて、子の看護、介護、リフレッシュ等の休暇として利用
- 育児介護と仕事の両立に関する相談窓口・相談箱の設置
- こども参観日の実施(親の働く姿を見て家庭内のコミュニケーションを図る、親の仕事の理解を深める)
- 人事評価制度を活用した従業員のスキルアップのための教育計画策定 等
上記の企業以外にも、県内では多数の企業の事例があります。
鳥取県の公式HPでは直近の事例だけではなく、平成29年度からの優良企業表彰を見ることができますので、ぜひ参考にしてください。
流通株式会社の取り組み
鳥取・島根求人ドットコムを運営する流通株式会社は、平成30年度に優良企業として表彰を受けています。
男性の育休取得第一号は管理職で、2013年に1カ月半取得をしました。
管理職が進んで取得をしたことで、その後男性社員も続けて育休を取得しやすい雰囲気づくりができています。
【具体的な取り組み】
- フレックスタイム制度や時短勤務制度の導入
- 男性育児休暇取得者7名/累計(対象者中70%が取得、2週間~2か月程度)
- 社内報で両立支援制度の利用者の事例を紹介
- 厳格なルールのもとで運用されるわくわくホリデ-(7日~14日間の連続休暇制度)を設け定休日のない業態の同社においても有給休暇取得を促進
イクボス・ファミボス宣言で働き方はどう変わる?
イクボス・ファミボス宣言が浸透し、企業が取り組みを行うことで、働き方はどのように変わるのでしょうか?
3つのポイントに焦点を当てて、考えてみたいと思います。
柔軟な働き方を選べる
育児や介護は、思いもよらぬことの連続です。
『急な体調の変化などに対応することで周囲に迷惑をかけるから…』と離職を選択していた人は少なくありません。
しかし時短勤務・フレックスタイム制・所定外労働免除など、柔軟な働き方が選べることで、労働者の負担は軽くなります。
職場全体が個々の家庭の状況に理解を示すことができれば、働きやすさは格段に上がるでしょう。
イクボス・ファミボスの存在があることで、柔軟な働き方に理解を示してもらえるようになります。
男性の育児休暇取得が推進できる
女性だけではなく、男性の育児休暇取得が推進できることも労働者側のメリットです。
政府は2025年までに男性の育休取得率を30%にするという目標を掲げていますが、厚生労働省が発表した2021年度雇用均等基本調査では13.97%にとどまっています。
イクボス・ファミボスの事例では、配偶者の出産休暇や法定の育児休業を上回る期間の設定などが行われており、男性も育児に参加することを前提とした取り組みが報告されています。
『男性が育児休暇なんて…』という悪しき慣習をなくし、男性も育児に積極的に関わることができるようになることが考えられるでしょう。
介護離職を防ぐことができる
超高齢化社会を迎えている日本にとって、介護は誰もが経験する可能性があります。
介護は育児と同じように、時間も体力もお金もかかるもの。
『仕事を続けながら介護を行うのは無理だ…』と介護離職に繋がってしまうのが現状です。
しかし前項でご紹介した事例のように、企業側が介護休業の期間延長・相談窓口の設置などを行うことで、介護離職をしてキャリアを諦めるという必要がなくなります。
鳥取・島根求人ドットコム『産休・育休制度実績あり』の求人状況
鳥取・島根求人ドットコムは、鳥取県倉吉市に本社を置く流通株式会社が運営する求人サイトです。
鳥取・島根求人ドットコムにおいて、『産休・育休制度実績あり』の求人は、2023年2月21日現在320件あります。
オフィスワークだけではなく、介護・福祉系や製造・ものづくり系、接客・販売・サービス系など、複数の職種で募集されているのが特徴。
鳥取・島根求人ドットコムは、地元企業ならではの詳細な情報や、希望や条件に合った企業の紹介を受けることが可能です。
専門のキャリアアドバイザーも常駐しておりますので、ぜひご相談ください。
まとめ
鳥取県は『イクボス・ファミボス宣言』に積極的に取り組み、独自の支援策なども打ち出しています。
『イクボス・ファミボス宣言』が浸透し、企業が理解を示してくれることで、働く側にはたくさんのメリットが生まれるといえるでしょう。
本当の意味でのワークライフバランスを保つために、これからもっと多くの企業が『イクボス・ファミボス宣言』に取り組んでいくことを期待したいものです。
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