学校の卒業や就職、転職などをきっかけに、地元に帰ろうという人は少なくありません。
令和4年に島根県が実施した調査では、Uターン・Iターン者数は対前年度比103％、人数にして約3,500人と報告されています。
就職や転職を伴うUターン・Iターンの場合は、移住（引っ越し）の準備と同時に就職・転職活動も行わなければならず、離れた地域からの活動をスムーズに行うことがポイントです。
この記事では、鳥取県・島根県にUターン・Iターン転職を行うときの注意点などをご紹介します。
Uターン・Iターン転職の現状とメリット
Uターン・Iターン転職を行う人の現状やメリットについてご紹介しましょう。
Uターン・Iターン転職の現状
経済産業省の調査では、下記のように報告されています。
先に紹介した島根県の調査でも報告されていた通り、転職を伴うUターン・Iターンを行う人は一定数いることがわかります。
また、総務省の行った調査では、出身県へのUターンのきっかけベスト3は
- 就職：4％
- 退職：0％
- 転職：0％
となっており、仕事に関わる事情がきっかけとなって、出身県へ戻る人が増えているのが現状です。
【参考】
Uターン・Iターン転職のメリットは？
Uターン・Iターン転職には、以下のようなメリットがあります。
- 生活コストの削減
- ワークライフバランスの向上
- 慣れた地域で生活・仕事ができる
- 通勤の負担が軽減する
特に注目したいメリットは、生活コストの削減です。
都市部に比べて地方は家賃や物価などが低い傾向にあり、生活コストを抑えることできます。
家賃を抑えるために長い通勤時間の負担を抱えていた人にとっては、Uターン・Iターンをすることで、ストレスフルな通勤から解放されるでしょう。
家族や知り合いの多い慣れた地域で生活できることも、Uターン・Iターンのメリットといえます。
地方への移住が増加している理由
近年、地方への移住が増加している背景には、リモートワークの普及や生活環境への関心の変化が大きく影響しています。
勤務地に縛られない働き方が一般化し、家賃や通勤の負担が少ない地方へ移る人が増えているのが現実です。
ワークライフバランスや地域コミュニティとのつながりを重視して、温かい地域社会に魅力を感じる人も。
地方には農業や地域ビジネスなど、独自の仕事や挑戦の機会があることも人気のため、就職や転職を機にUターン・Iターンを決意する人が増えてきていると考えられます。
Uターン・Iターン転職の求人を探す際のポイント
転職を伴うUターン・Iターンの場合、離れた地域で就職活動を行うことが求められます。
どんなことに気を付けて求人を探すべきなのか、主なポイントをご紹介しましょう。
移住先の生活環境を考慮する
Uターン・Iターンで移住をする場合、移住先の生活環境を考慮することも大切です。
例えば、都市部では必要なかったマイカーが地方では必需品になったり、通信環境も都市部と比べると良くなかったりする可能性もあります。
移動が必要な仕事に就く場合は、車の準備をしなければいけないことも。
実家に帰る人も含めて、移住したらどんな生活になるのかをシミュレーションし、必要な準備をしなければいけません。
テレワーク可能な企業を探す
テレワークが可能な企業であれば、Uターン・Iターンをしても仕事に支障がでることはありません。
島根県の場合、しまねUIターンテレワーク支援事業という支援制度があり、打ち合わせ等で出社する場合の交通費も助成してくれます。
完全在宅であれば、通信環境を確保すれば問題なく働け、Uターン・Iターンを機に転職をすることも不要です。
Uターン・Iターンを検討しているのであれば、現状でテレワークができるか、できない場合はテレワークが可能な企業を探してみましょう。
転職にかかる費用は多めに準備する
転職を伴うUターン・Iターンを始める際には、転職にかかる費用を多めに準備することも必要です。
一般的に、転職にかかる費用の内訳は交通費・スーツ代・事務用品代・写真代など合わせて20万円前後といわれています。
しかし、Uターン・Iターンの場合は、希望する勤務地へ見学に行ったり、面接や試験などで企業へ足を運んだりすることを考えると、一般的な交通費よりも多くかかることが多いもの。
宿泊を伴うケースなどもあるため、都市部での転職より費用がかかります。
さらに引っ越しもあわせて行うのであれば、引っ越し費用・新しい家にかかる費用なども含めて考えておかなければいけません。
Uターン・Iターンの支援制度を利用する
地方へUターン・Iターン転職を行うのであれば、自分の希望する自治体の支援制度を利用しましょう。
鳥取県と島根県の主な支援制度をご紹介します。
【鳥取県】
- とっとり移住定住ポータルサイト
- ふるさと鳥取定住
- 鳥取県での農業・田舎暮らしでのびのびライフ！
- とっとり仕事・定住バンクシステム
自治体によって支援制度の種類が異なりますが、就職・転職はもちろん、住まいや暮らしに関する支援も多くあります。
自分が利用できる制度に関しては、情報収集を行ってできる限り利用することがおすすめです。
地元に特化した求人サイトやエージェントを活用する
転職を伴うUターン・Iターンの強い味方となるのが、地元に特化した求人サイトや転職エージェントです。
一般的な求人サイトや転職エージェントよりも、企業の内情に詳しく、Uターン・Iターンの転職者にも慣れているため、安心して相談することができます。
特に転職に慣れていない方、転職活動に自信がない方は、エージェントを利用することでスムーズな転職を行えるでしょう。
Uターン・Iターン転職で意識すべき3つのこと
Uターン・Iターン転職では、一般的な転職とは異なるポイントを意識することが求められます。
転職後のミスマッチを防ぐためにも、どんなことを意識すべきなのか、3つのポイントをご紹介しましょう。
求人の条件とキャリアの一致
地方の求人は都市部に比べ選択肢が限られるため、希望する職種や待遇が得られるかを事前によく確認する必要があります。
また、地方では都市部ほど頻繁な転職が難しい可能性が高いです。
転職先で求められるスキルや経験をしっかり確認し、必要であれば転職前にスキルを補完しておくと、スムーズに新しい職場に適応できます。
自分のスキルが活かせるか、キャリア形成に役立つかを意識し、転職後の職場で長期的に働けるかを見極めましょう。
給与水準と生活費のバランス
地方では生活費が低い反面、給与水準も低いことが多いため、生活費と給与のバランスが取れるかを検討することが重要です。
生活費の詳細を調べたり、住居費や交通費を確認したりすることで、現実的な計画を立てやすくなります。
転職先での給与で安定した生活が送れるかどうか、将来の生活設計を立ててからUターン・Iターンを検討しましょう。
地域の企業文化とニーズの理解
Uターン・Iターン先の企業文化や、地域特有のビジネスニーズを事前に理解することが重要です。
地元の産業や市場動向を把握し、自分のスキルがどのように活かせるかを考えることが、転職成功の鍵となります。
また、地方では地域社会とのつながりが強いため、新たな人間関係が築ける一方、地域独特の習慣やコミュニケーションスタイルに慣れることも必要な場合もあるため、都市部とは異なるコミュニティに属するという意識を持つことも大切です。
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転職を伴うUターン・Iターンには不安がつきものです。
特に転職回数の少ない方、転職のノウハウがよくわからないという方は、転職エージェントの利用をおすすめします。
Uターン・Iターン転職の場合は、希望する地域に詳しいエージェントを利用することで、より詳しい企業の情報や市場の動向などを知ることができるでしょう。
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