扶養と配偶者控除のしくみ|2025年の最新制度をチェック!

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Uターン・Iターンや、出産・介護などをきっかけにフルタイム勤務からパート勤務へと変わる人、もしくはこれから新たにパートを始めようとしている人にとって、「扶養」という言葉は特に気になるテーマなのではないでしょうか?

実際、健康保険や税金にどんな影響があるのか、年収はいくらまでなら扶養内でいられるのか、よく分からないまま…という声もよく聞きます。

この記事では、2025年時点での最新制度をもとに、健康保険・税制上の扶養について、そして控除額や年収の壁についても分かりやすく解説していきます。

 

「扶養」って何?健康保険と税制で意味が違う?


よく聞く「扶養に入る」という言葉。実は2つの制度でちょっと意味が違うんです。

健康保険上の扶養:会社員の配偶者や親族などの健康保険に、自分で保険料を負担せずに入れる制度

税制上の控除制度:配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除などで、パートナーや親族(納税者側)の税金が軽くなる制度

どちらも「扶養」と呼ばれますが、条件や影響はまったく別物。混同しないように気をつけたいポイントです。

 

健康保険の扶養に入るには…


健康保険の「扶養」に入れるかどうかは、主に収入と生計状況で決まります。

  • 年収が130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満)
  • 配偶者などの被保険者によって生活を支えられている(=生計維持)

◆2025年時点のポイント◆
これら「106万円の壁」「130万円の壁」の要件自体は、恒久的な制度変更はありません。
ただし、政府の「年収の壁・支援強化パッケージ」により、一時的に130万円を超えても扶養を継続できる「事業主証明」制度や、手取り減を防ぐ「キャリアアップ助成金」などの支援策が運用中です。これらは恒久的な制度ではない点に注意が必要です。

(参考情報)2025年10月1日以降は、被保険者の配偶者を除く19〜23歳の被扶養者について、年収基準が150万円未満に見直されます。
参考:厚生労働省の通達(令和7年7月4日付 保発0704第1号)

「106万円の壁」:従業員51人以上の企業で、週20時間以上勤務し、月収が8.8万円以上になると社会保険加入義務が生じるライン。
「130万円の壁」:年収が130万円以上になると、健康保険の扶養から外れて自分で保険料を負担する必要が出るライン(60歳以上・障害者は180万円)。

参考:首相官邸「年収の壁・支援強化パッケージ」 厚生労働省「年収の壁・支援強化パッケージの概要」

 

税金面での「扶養」ってどういうこと?


たとえば、夫がフルタイムで働いていて、妻がパート勤務をしているケースを想像してみてください。このとき、妻の年収が一定額以下であれば、夫の所得税や住民税が軽減される制度があります。

この仕組みには以下のような制度があります:

  • 配偶者控除:配偶者の合計所得金額が58万円以下(給与年収で約123万円以下)の場合に、本人の税金が軽くなる
  • 配偶者特別控除:配偶者の所得が58万円超〜133万円以下(給与年収で約123万円超〜201.6万円未満)なら、段階的に控除が受けられる
  • 扶養控除:配偶者以外の親族(たとえば子どもや親など)を養っている場合に適用される

※「年収」と「合計所得金額」は別物です! 年収は給与の総額、合計所得金額はそこから必要経費(給与所得控除など)を引いた金額です。

参考:国税庁「令和7年分 年末調整に関する各種控除等」令和7年分 年末調整の手引き(PDF)

 

控除額の早見表(2025年版)


本人の所得 配偶者の所得(年収換算) 控除額
900万円以下 58万円以下(約123万円以下) 38万円
900万円以下 58万円超〜133万円以下
(約123万円超〜201.6万円未満)
最大38万円(段階的に減額)
900万超〜950万円以下 同上 最大26万円
950万超〜1,000万円以下 同上 最大13万円
1,000万円超 控除なし

 

誰もがつまずく?「年収の壁」


年収の壁 月収の目安 何が起こる?
約106万円 約8.8万円 社会保険への加入義務(従業員51人以上)
約123万円 約10.2万円 所得税が発生、配偶者控除が受けられない
約130万円 約10.8万円 健康保険の扶養から外れる可能性あり
約160万円 約13.3万円 配偶者特別控除が減額されていく
約201.6万円 約16.7万円 配偶者特別控除の対象外に

※住民税は、所得税とは別に独自の非課税ライン(給与収入で約100万円など)が設定されています。詳細は各自治体によって異なるため、お住まいの市区町村の情報を確認してください。

参考:e-Govポータル「地方自治制度(総務省リンク案内:地方税制度)」

 

扶養に入る?外れる?それぞれのメリット・デメリット


では、実際に「扶養に入る」とどうなるのか。ここではそのメリットとデメリットを整理してみましょう。
扶養に入ることには、家計にとっての安心感やコストの軽減などの利点があります。一方で、将来の年金やキャリア形成に影響を及ぼす可能性もあるため、「得か損か」だけでなく、自分の生き方や家族とのバランスを含めて考える視点も大切です。

🌱 メリット

  • 健康保険料がかからない
  • 配偶者側の税金が軽くなる
  • 家計のコストを抑えられる

⚠ デメリット

  • 将来の年金が少なくなる(国民年金第3号)
  • 働き方の選択肢が狭まることも
  • 「年収の壁」に気をつかってストレスを感じることも

 

自分らしい働き方、どう選ぶ?


「子育て中だから今は扶養内で」「数年後に正社員復帰したい」など、ライフステージによって選ぶ道は変わってきますよね。

特に鳥取県や島根県のような地方では、保育環境や家族との協力体制も加味しながら、自分に合った働き方を柔軟に選べる余地があります。

例えば、

  • フルタイム希望者には正社員登用を前提とした企業もあり
  • 扶養内パートでも社会貢献性の高い職種が多数

また、近年ではテレワーク可能な職種や、副業OKな職場も増えてきています。「この働き方しかない」と思わずに、地元の求人や行政支援制度をうまく活用してみるのもおすすめです。

 

まとめ|「損得」より「納得」を大切に


「扶養に入っていた方がトク?」「外れた方が将来的には安心?」
そんな迷いが出てくるのは当然です。でも、目先の損得だけではなく、「今の自分に合っている働き方」を選ぶ視点も大事。
未来の選択肢を見据えつつ、「いま」をどう過ごすか。
Uターン・Iターンを考えている方にとっても、制度の正しい知識は生活設計の大きなヒントになります。
焦らず、自分らしいペースで選んでいきましょう。


 

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