出典:厚生労働省
『くるみん』とは、厚生労働大臣が認可した子育てサポート企業の証です。
少子化対策の一環として仕事と育児を両立できる環境を整え、子育て世代の離職を防ぐという目的で作られました。
子育てを積極的にサポートする企業を増やすことで、安心して子供を育てられる社会にしていきたいという目的を持ってます。
子育てと仕事の両立に不安を抱えている方にとってどのようなメリットがあるのか、実際に子育てのしやすい企業とはどんな企業なのかについて、くわしくご紹介します。
『くるみん』って知ってる?
出典:厚生労働省
『子育てと仕事を両立したい!』という希望はあっても現実はなかなか厳しい…以前SNSに投稿された「保育園落ちた 日本死ね」というメッセージは、待機児童問題などを抱える日本を痛烈に批判したとして、国会で取り上げられるまでとなりました。
子育てがしやすい、仕事と両立ができるという環境づくりを、国を挙げて取り組んでいこうという対策の1つが『くるみん』の制度です。
『くるみん』とはどのようなものなのか、まずは基礎的な知識をご紹介しましょう。
くるみん』は子育てしやすい企業のシンボルマーク
『くるみん』は、厚生労働大臣が認可した子育てサポート企業の証のことで、認可されると『くるみんマーク』が付与されます。
『くるみん』という言葉には、赤ちゃんの『おくるみ』と『職場ぐるみ』『会社ぐるみ』という意味が込められていて、2007年4月から取り組みが行われている制度です。
『くるみん』の認定は、『次世代育成支援対策推進法(次世代法)』に基づいて行われているもので、該当する企業が申請を行うことで認可されます。
『くるみん』の認定基準
『くるみん』の認定基準は、以下のように定められています。
- 雇用環境の整備について、行動計画策定指針に照らし適切な一般事業主行動計画を策定したこと。
- 行動計画の計画期間が、2年以上5年以下であること。
- 行動計画を実施し、計画に定めた目標を達成したこと。
- 平成21年4月1日以降に策定・変更した行動計画を公表し、労働者への周知を適切に行っていること。
- 男性の育児休業等取得について、次の①又は②を満たすこと
① 計画期間において、男性労働者のうち、配偶者が出産した男性労働者に対する育児休業等を取得した者の割合が7%以上であること
② 計画期間において、男性労働者のうち、配偶者が出産した男性労働者に対する育児休業等を取得した者及び育児休業等に類似した企業独自の休暇制度を利用した者の割合が15%以上であり、かつ、育児休業等をした者の数が1人以上いること - 計画期間において、女性労働者の育児休業等取得率が、75%以上であること。
- 3歳から小学校就学前の子を育てる労働者について、「育児休業に関する制度、所定外労働の制限に関する制度、 所定労働時間の短縮措置又は始業時刻変更等の措置に準ずる制度」を講じている。
- 労働時間数について、次の①及び②を満たすこと
① フルタイムの労働者等の法定時間外・法定休日労働時間の平均が各月45時間未満であること。
② 月平均の法定時間外労働60時間以上の労働者がいないこと。 - 次の①~③のいずれかを具体的な成果に係る目標を定めて実施していること。
① 所定外労働の削減のための措置
② 年次有給休暇の取得の促進のための措置
③ 短時間正社員制度、在宅勤務、テレワークその他の働き方の見直しに資する多様な労働条件の整備のための措置 - 法および法に基づく命令その他関係法令に違反する重大な事実がないこと
育児休暇の取得率・労働時間数・短時間勤務・テレワークの推進など、子育てと仕事を両立するのに必要な項目が多く盛り込まれています。
また項目10の法令違反等には、労働基準法、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法、パートタイム労働法などさまざまな法律や法令が含まれていて、違反をすることで企業名の公表などが行われます。
『くるみん』誕生の背景
『くるみん』制度が誕生した背景には、日本の深刻な少子化問題があります。
育児と仕事の両立ができないのであれば子どもを産むことをためらってしまう…という人は少なくありませんし、実際に出産前からの保活、産休・育休制度の取りにくさなどが問題になっていることは周知の事実です。
共働き世代が多くなっている現在の日本では、働きながら子どもを育てられる環境を整えるのが急務であるという見解から、社会全体で子育てのしやすい条件を作りあげていくという意味を込めて制度発足にいたっています。
『くるみん』認定のメリットとは?
『くるみん』の認定を受けることは、働く側・企業側双方にメリットがあります。
『くるみん』の認定にはどのようなメリットがあるのか、2つの視点から解説していきましょう。
働く側のメリット
働く側のメリットとして挙げられるのは、以下の3点です。
- 子育てをしながら働き続けることのできる環境が整う
- ロールモデルとなる人が社内に存在する
- 転職する際の指標の一つになる
『くるみんマーク』の認定を受けるには、前項でご紹介した複数の基準を満たしている必要があります。
一度認定を受けた後も、該当しないとみなされた場合は取り消されることもあるため、認定を受け続けている企業は、積極的に子育てをサポートしている企業ということがわかるのです。
産休・育休の取得や年次有給休暇の消化などについても、企業側がサポートをしなければいけないため、子育てと仕事の両立がしやすくなることが大きなメリットといえるでしょう。
企業側のメリット
『くるみん』の認定を受けることは、企業側にもメリットがあります。
- 社員のエンゲージメント向上
- 優秀な人材の確保・定着
- 助成金の受給
くるみんマークは企業の広告などにも使用することが可能なため、子育てサポート企業であることをアピールすることができます。
出産や育児を理由に離職せざるを得ない人を減らし、優秀な人材を確保することができることは、企業によって大きなメリットです。
また認定を受けることで税制の優遇措置を受けることも可能になります。
鳥取県・島根県の状況は?
2007年に始まった『くるみん』…現在鳥取県・島根県ではどんな企業が認定されているのでしょうか。
厚生労働省の公表している資料を基に、2つの県の認定状況についてご紹介します。
鳥取県の『くるみん』認定状況
引用:くるみん認定、プラチナくるみん認定及びトライくるみん認定企業名都道府県別一覧|厚生労働省
島根県の『くるみん』認定状況
引用:くるみん認定、プラチナくるみん認定及びトライくるみん認定企業名都道府県別一覧|厚生労働省
子育てしやすい企業の選び方
子育てをしながら働くということは、想像以上に大変なことです。
出産や子育てをきっかけに転職を考える人も少なくないでしょう。
仕事と子育ての両立を目指す人がどんな企業を選択するべきなのか、子育てのしやすい企業の選び方をご紹介します。
同じ環境の人が多く働いている
自分が希望する企業に同じ環境の人=子育てをしながら働いている人が多くいるかどうかは、非常に重要な指標となります。
同じ環境の人が多く働いているということは、会社の制度や職場の雰囲気などが整っているということです。
会社としてのサポートだけではなく、社員同士のフォローなどがなければ、子育てとの両立は厳しくなります。
子育て世代が多く働いている企業は、子育て中の人にとって働きやすい企業であるといえるでしょう。
柔軟な働き方ができる
フレックスタイム制度やリモートワークなど、柔軟な働き方ができるかどうかも確認したいポイントです。
以前よりも出社をしない働き方が認められつつありますが、希望する企業がどのような体勢を整えているのかは、必ずチェックする必要があります。
職種によっては完全在宅でもOKだったり、短時間勤務やフレックスタイム制度を積極的に活用できたりするケースもあるので、柔軟な働き方に対する企業の取り組みを確認しましょう。
『くるみん』『えるぼし』などの認定を受けている
仕事と子育ての両立を目指す人にとって、『くるみん』以外にも『えるぼし』という制度があります。
引用:女性活躍推進企業認定「えるぼし・プラチナえるぼし認定」|厚生労働省
『えるぼし』は女性が活躍できる企業の認定です。
『くるみん』と同じく公表することができる制度ですので、この2つの認定を受けている企業であれば、子育てがしやすくキャリアアップができるということになります。
認定を受けている企業への転職なども視野に入れておくと良いかもしれません。
まとめ
出産や子育てによってキャリアを断念する…男女雇用機会均等法が施行されてからも、女性が離職や異動などによってキャリアアップができなくなるというケースは多く見受けられました。
しかし国が主導して行われている『くるみん』は、企業だけではなく働く側にとっても非常に大きなメリットがある制度です。
このような子育てと仕事が両立できる制度をうまく活用し、多様な働き方で仕事を続けられる人が増えていくことを切望します。
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