資格の取得は、転職はもちろん現職でのキャリアアップにも有利です。
資格にはさまざまな種類がありますが、なかには多くの知識を必要とする難易度の高い資格もあります。
働きながら難易度の高い資格を取得することは、確かに大きな挑戦です。
厳しい試験や綿密な学習、多くの時間とエネルギーが必要ですが、その先には多くのメリットが待っています。
難易度の高い資格に挑戦することで、どのようなメリットが待っているのか、取得することで就職や転職の強みになる資格も合わせてご紹介しましょう。
資格の種類と定義
資格には種類があり、それぞれに特徴が異なります。
資格にはどんな種類があるのか、定義や特徴をご紹介しましょう。
国家資格
国家資格とは、特定の国家機関や政府によって認定された資格です。
一般的に法律や法令に基づいて設定され、取得者の専門的な知識や技能、資質を証明するものとされています。
国家資格を持つことは、一定の職業や業界において法的な資格要件を満たすために必要なことがあり、受験資格などが細かく設定されているものもあります。
【主な特徴】
- 国家機関や政府によって認定される
- 法的な資格要件を満たすために必要なことがある
- 試験に合格することが一般的な取得条件
公的資格
公的資格とは、国家資格と民間資格の中間に位置付けられる資格で、文部科学省・経済産業省などの省庁や大臣などが認定している資格のことです。
公的資格は、職業や業界において一定の基準を満たすことを証明するために取得する資格です。
認知度の高い資格としては、介護支援専門員(ケアマネージャー)・食品衛生責任者・ツアーコンダクター(旅程管理主任者)などがあります。
【主な特徴】
- 政府や公的な機関によって認定される
- 国家資格ほど厳格な要件が求められない場合もある
- 特定の職業や業界における専門的な知識やスキルを証明するために使用される
民間資格
民間資格とは、企業や民間の団体、教育機関などが独自に設定する資格です。
民間資格は、国家資格・公的資格に該当しない資格といえます。
代表的な民間資格としては、TOEICやTOEFLなどの認知度が高いでしょう。
【主な特徴】
- 企業や民間団体、教育機関などが独自に設定する
- 幅広い範囲の資格が存在する
- 主催団体によって取得条件や評価基準が異なる場合がある
難しい資格は国家資格に多い
国家資格は社会的な影響や責任を考慮し、高い専門性と信頼性を確保するために、難易度が高く設定されることが一般的です。
公的資格や民間資格は、特定の職業や業界での専門性を示すために取得されることが多く、難易度は資格によって異なる場合があります。
- 法的な要件を満たすことが求められる
- 国の標準や規則に基づいて設定される
- 専門家として社会に影響を与える可能性が高い職業
- 分野における専門的な深化と広範な理解を要求される
などの理由から、難易度の高い資格は国家資格に多いといわれています。
難易度の高い資格を取得するメリット
難易度の高い資格を取得することは、大変な苦労が伴います。
特に働きながらの資格取得には、多くの時間と労力を費やすことになるでしょう。
しかし資格を取得することで得られるメリットは、資格がない状態とは比べ物にならないほど大きなものです。
難易度の高い資格を取得するメリットにはどのようなものがあるのか、主な3つのメリットをご紹介します。
就職や転職がしやすい
難易度の高い資格を取得するメリットの一つとして、就職や転職がしやすいことが挙げられます。
難易度の高い資格を取得することは、あなたの市場価値を大きく向上させる要因となるでしょう。
企業や雇用主は、高度な知識やスキルを持つ専門家を求めており、該当する資格を持つ求職者は就職・転職市場で優位な立場に立つことができます。
給与・報酬が高い
難易度の高い資格を取得することは、各々の分野で専門性を示すものであり、適格なポジションへの転職や昇進・昇格の機会を増加させるでしょう。
企業は高度な知識やスキルを持つ専門家を求めているケースも多く、高い能力を持つ人材には高水準の給与を提供する可能性があります。
また一部の企業や業界では、資格を持つ従業員に対して資格手当を支給することがあります。
資格手当を支給してもらうことで、給与の全体額が上がる可能性があることは大きなメリットです。
フリーランスとしても活躍できる
難易度の高い資格の中には、企業に属するという選択肢ではなく、フリーランス=独立という活躍方法に役立てることができるものもあります。
- 公認会計士
- 司法書士
- 中小企業診断士
- 社会保険労務士
- ITストラテジスト
などは非常に難易度が高い資格ですが、取得することでフリーランスとして安定した業務を行うことができます。
取得したら強みになる国家資格7選
難易度が高い資格は、取得することで大きな強みになります。
弁護士や医師などの業務独占資格以外で、ぜひ取得に挑戦してほしい資格を7つご紹介しましょう。
司法書士
司法書士とは、日本の法律に基づいて主に不動産や相続などの民事法務や法的手続きに関連する専門家です。
受験資格は特になく、年齢・性別・学歴に関係なく受験することができます。
【司法書士の主な業務内容】
- 不動産登記
- 相続手続き
- 会社設立
- 債権回収
- 民事訴訟の代理 など
司法書士の試験合格率は司法試験なみと言われるほどの難関です。
法律の知識がない・法律関係の仕事に就いていない方の場合は、スクールへの通学など専門家のサポートが必要になるでしょう。
公認会計士
公認会計士は、企業や個人の財務情報を監査し、税務や経営に関するアドバイスを行う専門家です。
受験資格は特に定められていません。
【公認会計士の主な業務内容】
- 監査業務
- 税務アドバイザリー
- 会計コンサルティング
- 財務報告書作成
- 破産や再建のアドバイス など
公認会計士試験は医師・弁護士と並ぶ三大難関国家試験の一つといわれ、計算能力と読解力が特に必要な試験です。
公認会計士と似た資格に税理士がありますが、2つはメインの業務が異なることがポイントです。
公認会計士は『財務諸表監査』の専門家であり、税理士は『税務』の専門家になります。
公認会計士の資格取得は、独学での合格は不可能に近いので、短期間での合格を目指すのであれば、スクールなどで勉強することをおすすめします。
中小企業診断士
中小企業診断士の資格は、日本の中小企業の経営支援を専門とする資格です。
一次試験は年齢・性別・学歴・職歴を問わず誰でも受験できますが、二次試験は一次試験合格者となります。
【中小企業診断士の主な業務内容】
- 経営診断
- 経営改善の提案
- 財務診断と資金調達支援
- 事業承継支援
- 組織改善と人材育成 など
中小企業診断士は、経営相談や経営改善のアドバイスを行い、経営者や経営幹部に対して経営戦略や課題解決のサポートを提供する専門家として活動します。
社会福祉士
社会福祉士は、日本の社会福祉分野で活躍するために必要な国家資格です。
福祉の専門知識とスキルを持ち、社会的な支援や援助を必要とする人々や家族に対してサポートを提供します。
【社会福祉士の主な業務内容】
- 福祉相談
- ケアプランの策定
- 福祉施設の運営
- 地域福祉の推進
- 福祉政策の立案 など
社会福祉士の受験資格は最終学歴によって細かく設定されています。
受験する際には自分に受験資格があるかどうか、職歴と合わせて確認することが必要です。
社会保険労務士
社会保険労務士は、日本の労働法や社会保険制度に関する専門知識を持ち、企業や個人の労務管理や社会保険に関するアドバイスを行うための資格です。
受験資格は細かく定められているため、全国社会保険労務士会連合会試験センターのホームページで確認をしましょう。
【社会保険労務士の主な業務内容】
- 労働法務のアドバイス
- 給与や社会保険の手続き
- 労働トラブルの解決
- 労働環境の改善
- 人事評価や組織開発 など
社会保険労務士の試験の難易度は非常に高いものです。
大卒以外の学歴の方は、スクールなどを活用することが効果的といわれています。
土地家屋調査士
土地家屋調査士は、不動産に関する専門的な調査や測量を行う資格です。
受験資格はないので、誰でも受験することができます。
【土地家屋調査士の主な業務内容】
- 実測調査
- 地目調査
- 法的調査
- 区画整理
- 評価業務
- 不動産登記 など
土地家屋調査士の試験は、高校数学の知識を必要とする試験です。
計算や作図なども含まれるため、理系科目の苦手な人には難易度が高く感じられる可能性があります。
ITストラテジスト
ITストラテジストは、情報技術(IT)を組織の経営戦略に統合し、効果的な情報システムの導入や活用を計画・実行する専門家になるための資格です。
独立行政法人情報処理推進機構 情報処理技術者試験センターが主催する資格で、試験日は春期のみの年1回となっています。
【ITストラテジストの役割と業務内容】
- IT戦略の策定
- 情報システムの企画・運営
- 業務プロセスの改善
- セキュリティ対策の強化
- ビジネスとのコンサルティング など
ITストラテジスト認定試験は、応用情報技術者試験(AP試験)の上位資格です。
試験は難易度が高く、情報システムの戦略的な計画立案や運用能力を評価するものとなっています。
国家資格以外でもチャレンジ!
前項でご紹介した国家資格以外の公的資格でも、取得することでキャリアアップにつながる資格があります。
難易度は高めですが、選択肢の一つとして取得を検討してみてください。
DCプランナー1級(公的資格)
DCプランナーとは、確定拠出年金をはじめとした年金制度全般にわたる専門家のための資格です。
DCプランナーは、年金制度に関する専門的な知識を持ち、個人のニーズに合った退職所得の計画を立案・提案する専門家を指します。
DCプランナー1級資格は、DCプランに関する高度な知識とスキルを持つ者を認定するための試験です。
DCプランの運用・税制・投資・リスク管理など幅広い領域にわたる知識が求められます。
DCプランナー1級試験は難易度が高く、合格するには幅広い専門知識と計算力が必要です。
資格取得後は、個人や企業に対して退職所得の計画や運用のアドバイスを提供する専門家として活動できます。
日商簿記検定1級(公的資格)
日商簿記検定1級は、日本商工会議所が実施する簿記の専門的な知識と技術を評価するための資格です。
簿記は経理の基本的なスキルであり、経済活動の記録や分析、報告を行う上で重要な役割を果たします。
日商簿記検定1級は『簿記の最高峰』といわれる資格で、高度な簿記知識や技術を持つ者を認定するための難易度の高い試験です。
日商簿記検定1級の試験は、簿記の知識と技術に関する複数の科目で構成されており、合格するには幅広い分野にわたる理解と能力が求められます。
資格を取得することで、会計や経理の専門家として企業や組織の経済活動をサポートすることができ、会計のスペシャリストと呼ばれるスキルを持っている証明になるといえるでしょう。
まとめ
難易度の高い資格は国家資格に多く、独学で挑めない資格もあります。
働きながらの資格取得は大変ですが、難易度の高い資格を取得することには多くのメリットがあることを知っておきましょう。
独学が難しい資格の場合は、講座の受講やスクールへの通学などで効率的な勉強を行うことが必要になります。
自分自身のキャリアをしっかりと棚卸しし、キャリアアップにつながる資格取得にぜひ挑戦してみてください。
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