就職や転職の際に、資格取得を検討する人は多いのではないでしょうか?
資格には、仕事に活かせる資格から専門的な資格まで、さまざまなものがあります。
しかし、これから資格取得を考えるとき、どんな資格を取れば良いのか悩むことも少なくありません。
この記事では、実際に複数の企業で人事部に所属し、現在も採用担当者として活躍されているAさんにお話を伺いました。
採用担当者の生の声をインタビュー形式でご紹介します。
【Aさんのプロフィール】
Aさんは現在、ベンチャー企業で人事の採用担当者として活躍されています。
大学卒業後、大手商社に勤務し、人事部に配属。
その後、転職・ヘッドハンティングなどで複数の企業に勤務し、人事担当として長年採用に携わってこられました。
自身の転職経験や、多くの応募者との面接で得た経験を踏まえて、お話を伺います。
Q・採用担当者は応募者の資格について何を見ている?
採用担当者は履歴書に必ず目を通します。
なかには『書類選考合格者のみ面接』という選考方法もあるため、履歴書は重要な位置を占めています。
採用担当者が履歴書の免許・資格欄を見るとき、どんなポイントに注意して見ているのか、3つのポイントに絞ってお話を伺いました。
応募している職種に活かせるか
「資格欄を見るときは、応募(募集)している職種に活かせる資格かどうかを見ます。
関係のない資格がたくさん書いてあるのは、正直無意味です。
運転免許などの資格は別として、応募した職種に関係のある資格が書いてあると有利ですね。
なかには、何も書かないよりは何か書いた方が良いのではないかと思っている方も少なくないんです。
確かに何か書いてあった方が見栄えは良いですが、関係ない資格の場合は有利になることはあまりないでしょう。
採用担当者は、応募している職種に活かせる資格を見ています。」
資格を活かした仕事の経験があるか
「資格を取得した年と職歴を見て、資格を活かした仕事の経験があるかどうかも見ますね。
資格を活かした仕事経験があれば、その人は即戦力として活躍できると見なされるからです。
資格を活かした仕事経験がなくても、不利ということではありません。
これは、企業がどんな人物像を求めているのかによりますね。
即戦力が欲しいのか、次世代を担う存在が欲しいのか、その企業や募集の目的に合った人物を探すので。
資格の種類・難易度などもあわせて見ることはあります。」
資格取得の目的は何か
「資格を取得した目的は何か、を明確にしておくと良いと思います。
資格取得マニアのように、ただ資格を取得しているだけの人よりは、明らかな目的があって資格取得した人の方が企業側としては採用しやすいからです。
医師や弁護士などの国家資格は別として、MOSやTOEIC、秘書検定などの一般的な資格は『なぜその資格を取ったのか』という目的が大切です。
『みんなが取っているから』『就職に有利だと思ったから』などという曖昧な目的しかないと、私としては弱いなと思います。」
Q・資格が必要な仕事の場合は勉強中でも応募できる?
難易度の高い資格に挑戦する・働きながら資格を取得すると言った場合、勉強中ということをアピールして、応募することは可能なのでしょうか?
応募条件による
「これは応募条件によりますね。
資格を取得していることが条件の場合は、勉強中では条件を満たしていないことになります。
求人の中には『働きながら資格を取得できる』という条件もあるので、そういった企業では勉強中、もしくはこれから取得する意思があるという状況でもOKということがあります。
代表的なのは介護職などです。
働きながら資格を取得して、取得した資格と経験を活かして次の資格に挑戦することができるモデルケースだと思います。
応募する際にきちんと条件を確認して、万が一不明な場合は、問い合わせても良いと思いますよ。」
資格の難易度による
「これは私の個人的な意見なのですが、資格の難易度にもよると思います。
合格率が低く、何回も挑戦しなくてはいけないような資格の場合は、勉強中という状態も理解ができます。
ただし、先程お話したように、資格を取得している状態が募集条件であれば、当然応募はできませんので、注意が必要ですね。」
Q・ズバリ!転職に有利な資格とは?
履歴書の免許・資格欄に書かれた資格の中で、転職に有利になる資格というのはあるのでしょうか?
年代によって有利な資格は異なる
「年代によって有利な資格は異なります。
例えば新卒と、30代の転職者では有利な資格は変わってきます。
新卒の場合、学生時代に取得した資格などは、学校で薦められたからという場合もありますし、何となく就職に有利だと思ったからということも少なくありません。
反対に30代の転職者の場合は、どんな目的を持って資格取得をしたのかによって非常に有利に働くこともあります。
『応募している職種に就きたくて必要な知識を得るために取得した』という資格は有利だと思います。」
実務経験を重視する場合もある
「職種によっては実務経験を重視する場合もあります。
例えば、経理に関する資格をたくさん持っていても実務経験がないという人よりは、資格がなくても経理の仕事を10年こなしていたという人の方が評価される場合があるということです。
人気がある資格だからとか、持っていると有利だからという意味合いの資格を持っているよりは、実際に即戦力として働ける人を企業が求めている場合などが当てはまります。
毎日運転していて通常の免許の人と、運転はしていないけどゴールド免許を持っている人の違いと言えば分かりやすいかもしれません。」
Q・これから転職を考えている人におすすめの資格は?
これからスキルアップをするために転職をしたいと考えている人におすすめの資格は何があるのでしょうか?
自分の希望する職種で必要な資格
「まずは自分の希望する職種で必要な資格を取得するのがおすすめです。
- 語学的な資格
- IT系の資格
- 専門職に就くための資格
などが当てはまると思いますが、自分がやりたい仕事をする上で、どんな資格を持っている人が多いのかをリサーチしてみると良いと思います。
たとえば『ケアマネージャーになりたい!』と思っても、どんなキャリアを積めばなれるのかがわからなければ、有利な資格もわからないからです。
最近WEBなどでは『この資格を持っていれば』などという文言をよく見かけますが、自分がなりたくもない職種の資格を取っても意味がないと思います。」
企業のニーズの高い資格
「企業のニーズが高い資格は、取得すると有利だと言えます。
- 中小企業診断士
- ファイナンシャルプランナー
- 宅建士
- 社労士
などは、難易度も高く、資格を取得することでスキルを証明できる部分もあるからです。
ファイナンシャルプランナーや社労士などは、企業に勤務するだけではなく、独立起業することもできるくらいです。
宅建士なども不動産業界ではニーズの高い資格ですし、中小企業診断士はAIが代替できない社会的ニーズの高い仕事だと言われています。
資格を取得していることで、知識を一定以上持っていると見なされる資格は、企業ニーズの高い資格ともいえますが、難易度が高いので、計画的に取得に向けたスケジュールを立てる必要があると思います。」
まとめ
今回は、採用担当であるAさんに『転職に有利な資格』についてお話を伺いました。
有利な資格とは、希望する職種に活かせる資格・企業ニーズの高い資格であること、年代によって有利な資格は異なり、実務経験が重視されることもあることがわかりました。
最初に資格ありきではなく、自分がどんな仕事をしたいのか、自分のしたい仕事に活かせる資格は何なのかを考えて、挑戦することが大切です。
難易度の高い資格の場合は、計画的にスケジュールを立てる必要もあります。
キャリアアップのために転職を検討されている方は、今回のAさんのお話をぜひ参考にしてください。
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