シングル(ひとり親家庭)で子育てと仕事を両立するのは大変だと言われています。
確かに家事、育児、仕事をワンオペで行うことの負担が大きいということは、想像に難くありません。
しかし、シングル(ひとり親家庭)のかたが働きやすい職種もあります。
資格取得や実務経験が求められる仕事以外にも、労働環境が整えられている企業が増えてきているのです。
この記事では、シングル(ひとり親家庭)のかたが子育てと両立できる職種についてくわしく解説します。
注意したいポイントや国の支援制度などもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
シングル(ひとり親家庭)の現状
令和4年に厚生労働省が発表した「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果の概要」によると、母子世帯数は 119.5 万世帯、父子世帯数は14.9 万世帯あると報告されています。
出典:令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果の概要|厚生労働省
この調査結果で注目したいのは就業状況です。
父子世帯の正社員の割合が69.9%に対し、母子世帯の正社員の割合が48.8%にとどまっています。
また平均年間収入も父子世帯が518万円であるのに対し、母子世帯の平均年間収入は272万円です。
シングル(ひとり親家庭)といっても、さまざまな状況によって就労状況や年間収入が異なっていることがわかる調査結果といえるでしょう。
シングル(ひとり親家庭)で子育てと両立しやすいおすすめの職種は?
シングル(ひとり親家庭)で子育てと仕事を両立するには、働きやすい環境や職種を選択することがポイントです。
シングル(ひとり親家庭)のかたが働きやすい職種を項目別にご紹介します。
【資格を活かす】
シングル(ひとり親家庭)で安定した収入や雇用を求めるのであれば、資格を活かした職種がおすすめです。
- 看護師
- 介護福祉士
などは、国家資格を取得する必要がありますが、雇用も安定しているため、おすすめの職種といえます。
看護師も介護福祉士も、人手不足の状態が続いているため、就労先の確保には困らないでしょう。
一つ克服しなければいけない条件は、夜勤です。
どちらの職種も、雇用形態によっては夜勤があるため、小さな子どもがいる家庭では、預け先の確保が必要になります。
ただし、就業先によっては保育園など夜間の預け先を確保してくれるケースもあるので、福利厚生制度の充実度などを見極めることがポイントです。
【働きやすさを優先する】
働きやすさを優先するのであれば、コールセンターや学校の介助員がおすすめです。
- コールセンター
- 学校の介助員
コールセンターが働きやすいと言われるポイントは、在宅勤務でも行えることです。
大手のコールセンターなどは、職場に出勤する以外にも在宅で仕事をすることが可能な企業があります。
またコールセンターは給与や報酬が高めに設定されていること、急な休みにも対応してくれることが多いなど、シングル(ひとり親家庭)の方が働きやすい環境が整っています。
学校の介助員とは、小・中学校や特別支援学校などで、介助が必要な児童・生徒のサポート(学習や食事等)や移動の支援などを行う仕事です。
学校の介助員は子ども達と同じスケジュールで勤務するため、基本的に土日祝日がお休みになります。
特別な資格がなくても勤務できることもあり、子どもと近い環境で働けることはメリットの一つといえるでしょう。
【高収入を狙う】
シングル(ひとり親家庭)でも高収入を希望するのであれば、保険営業や独立・起業などをおすすめします。
- 保険営業
- 独立・起業
保険営業は、インセンティブ(歩合給)制度を導入している企業が多く、頑張れば頑張った分だけ収入をアップすることができるメリットがあります。
また保険業界はシングル(ひとり親家庭)の方が多く働いているため、業界全体でシングル(ひとり親家庭)に理解がある職場が多いのが特徴です。
自分の資格や特技を活かして、独立・起業することも高収入を狙えるでしょう。
講師やWeb関連の仕事は需要が高く、シングル(ひとり親家庭)の方でも始めやすい職種といえます。
【安定性を重視する】
安定性を重視するのであれば、医療事務や看護助手がおすすめです。
- 医療事務
- 看護助手
医療事務や看護助手は、資格を取得しなくても働けることがメリット。
医療事務は専門的な知識が必要なケースもありますが、働きながら資格を取得することも可能なため、長く働いてスキルアップをすることができます。
看護助手とは、看護師や他の医療スタッフをサポートし、患者のケアを補助する仕事です。
病院や介護施設、診療所などが勤務場所となります。
看護助手は特別な資格が必須ではありませんが、介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)や介護福祉士などの資格を持っていると、就職や業務に役立つことも多いでしょう。
企業が採用しやすいシングル(ひとり親家庭)の条件
シングル(ひとり親家庭)の中には、「転職がうまくいかない」「応募してもなかなか採用されない」という悩みをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
そこで同じシングル(ひとり親家庭)でも、どんな条件の人が採用されやすいのかを3つご紹介します。
できること・できないことがきっちり線引きされている
できること・できないことがきっちり線引きされていると、企業としては採用しやすくなります。
- 夜勤はできないが平日の昼間はフルタイムで勤務できる
- 土日祝日は勤務できないが平日は月~金で勤務できる
- 子どもは保育園に通っているが体調不良時のために病児保育と契約している
できると言って実はできなかった…というのは、どんな仕事でも信用を失ってしまいます。
応募条件と照らし合わせて、可能な限り自分でできる状況を見極めた上で、できないことも伝える勇気を持ちましょう。
子どもの緊急時の対応に取り組む姿勢がある
小さい子どもがいる場合、よく言われるのは「急に休まれると困る」と考える企業が多いということ。
保育園に入園していても、体調不良時はどうするのかという疑問は採用担当者が持っているはずです。
病児保育の契約や、親族に頼める人がいるなど、「具合悪いんだから仕方がない」ではなく「少しでも迷惑をかけないように努力している」という姿勢を企業は評価します。
自分の住んでいる自治体の制度などをしっかりと理解し、利用できるものは最大限利用するようにしましょう。
現在の状況を正直に開示している
入社後のトラブルを回避するためにも、現在の状況は面接時に伝えることが大切です。
離婚・死別など、くわしい事情は必要ありませんが、一人で子育てをしていることや子どもの預け先などについては、開示するようにしましょう。
企業は応募者の状況をきちんと把握した上で採用したいと考えています。
特に職種によっては休日出勤や残業、夜勤などが可能かどうかを確認されますので、「不採用になりたくないから」と虚偽の事実を伝えることだけは避けてください。
シングル(ひとり親家庭)が仕事選びのときに注意したいポイント
シングル(ひとり親家庭)の方が仕事を選ぶときには、注意しなければいけないポイントがあります。
どんなことに注意すれば良いのか、3つのポイントをご紹介しましょう。
同じ状況の人が働いているか
自分の希望する職場に、同じ状況の人が働いているかどうかは非常に重要なポイントです。
同じ状況の人が多く働いているということは、職場自体がシングル(ひとり親家庭)に理解があるという証拠になります。
「残業も休日出勤もOK!」という条件の人ばかりが働いている職場では、シングル(ひとり親家庭)の状況を理解してもらうことが難しいかもしれません。
面接時に確認したいポイントといえるでしょう。
安定した収入が確保できるか
シングル(ひとり親家庭)の場合、安定した収入が確保できるかどうかという点は、生活をしていく上で注意したいポイントになります。
「長時間働いても収入が低い」などという仕事では、子どもとの生活を守っていくことができません。
雇用形態や勤務条件をしっかりと確認し、自分の条件に合っているかどうかを見極めましょう。
子育てに理解があるか
職場や企業として、子育てに理解があるかどうかも注意したいポイントです。
- 産休・育休を取得している社員が多い
- 子育てに関する福利厚生が充実している
- シングル(ひとり親家庭)の社員がいる
- 互いにサポートする意識が高い
などが該当します。
シングル(ひとり親家庭)の方は増加していますが、まだまだ古い体質の企業もあるため、ホームページなどで確認しておくと良いでしょう。
シングル(ひとり親家庭)が利用できる国の就職支援制度
シングル(ひとり親家庭)の方が利用できる国の支援は複数存在します。
しかし、支援制度の多くは申請が必要なケースが多いことが特徴です。
ここではシングル(ひとり親家庭)の方が受けられる国の制度を一覧でご紹介します。
こども家庭庁が管轄する制度
●ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付事業
高等職業訓練促進給付金を活用して養成機関に在学し、就職に有利な資格の取得を目指すひとり親家庭の親に対し入学準備金・就職準備金の貸付けを行う制度。
自立に向けて意欲的に取り組むひとり親家庭の親に対し、家賃相当額の貸付けも行う。
●母子家庭等就業・自立支援センター事業
母子家庭等就業・自立支援センター等で、就業相談から就業支援講習会、就業情報の提供に至るまでの一貫した就業支援サービス等を提供するとともに、養育費の取り決め等に関する専門相談、親子交流の支援等を実施し、ひとり親家庭の方への支援を総合的に行う。
●ひとり親家庭の在宅就業推進事業
自営型の在宅就業や企業での雇用(雇用型テレワーク)を希望する方を支援するため、業務を行いながら独り立ちに向けたノウハウを蓄積できるよう、「在宅就業コーディネーター」がサポートを行う。
●母子・父子自立支援プログラム策定事業
個々のひとり親家庭の親の実情に応じた自立支援プログラムを策定し、ハローワークや母子家庭等就業・自立支援センターと連携して、きめ細かな就業支援等を行う。
●高等学校卒業程度認定試験合格支援事業
ひとり親家庭のより良い条件での就職につなげていくため、高卒認定試験合格のための講座(通信講座を含む。)を受け、修了した時及び合格した時に受講費用の一部を支給する事業を実施する。
●母子家庭等自立支援給付金事業
母子家庭等自立支援給付金事業自治体が指定する教育訓練を受講したひとり親に対して、修了後に受講料の一部を支給します。また、資格取得のため一定期間以上養成機関で修業する場合に、生活費の負担軽減のための給付金などを支給する。
●ひとり親家庭への相談窓口の強化事業
ひとり親家庭が抱える様々な課題に対応し、総合的・包括的な支援を行うため、母子・父子自立支援員や就業支援専門員を配置し、地域の実情に応じたワンストップ相談窓口の構築を推進する。
※こども家庭庁 支援局 家庭福祉課 03-6771-8030(代表)
厚生労働省・ハローワークが管轄する事業
●ハローワークにおける児童扶養手当受給者等に対する就労支援
児童扶養手当受給者等の方を対象に、就労による自立に向けた支援を、地方公共団体の庁舎内にあるハローワークの窓口等で実施する。
シングル(ひとり親家庭)におすすめの仕事に関するQ&A
シングル(ひとり親家庭)で子育てと仕事を両立するために、よくある質問をピックアップしてご紹介します。
Q・シングル(ひとり親家庭)におすすめの資格はある?
シングル(ひとり親家庭)におすすめの資格は、主に以下のような資格です。
- 医療事務
- 介護福祉士
- 宅地建物取引士
- 調理師
- 登録販売者
ただし、資格があれば条件の良い仕事に就けるというわけではありません。
取得するまでに時間のかかる資格や、難易度の高い資格もあるため、自分に必要な資格か、取得可能な資格かどうかを見極めることが大切です。
Q・シングル(ひとり親家庭)が働く前に準備しておくべきことは?
もっとも重要なことは、子どもの預け先です。
一人で留守番ができる年齢でなければ、保育園や学童保育などが確保できていることが大前提です。
また急な体調不良の際の預け先として、病児保育の契約や親族の協力なども必要になります。
Q・シングル(ひとり親家庭)でも転職エージェントは利用できる?
できます。
シングル(ひとり親家庭)の方でも転職エージェントは利用できますが、シングル(ひとり親家庭)の実績のあるエージェントを選びましょう。
複数のエージェントに登録して、一番理解のあるエージェントを選ぶのがおすすめです。
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まとめ
シングル(ひとり親家庭)で子育てと仕事を両立させるには、相当なパワーが必要になります。
しかし、情報収集をしっかりと行い、利用できる制度などをフルに活用することで、少しは負担が軽くなる可能性もあるでしょう。
「子どもが小さいから」「頼れる人がいないから」というハードルを自分で設定してしまうのではなく、自分が今できることを一歩一歩確実に行うことが大切といえます。
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